巨乳のおばさんに猿腕を開発された話

猿腕というものをご存知だろうか。


猿腕とは、肘を伸ばした状態で、腕が本来とは逆の方向へ曲がることである。


猿腕によるデメリットは特にはないのだが、強いて挙げるならその不気味な見た目だろう。


そして猿腕の原因には遺伝的なものよりも後天的なものが多いという。



その実例を私が身をもって体験してきたので、ここに記そう。




そう、あれは都心へ向かう満員電車の中だった・・・


みなさんはそもそも満員電車に乗ったことがあるだろうか?


ああもちろんさ。とか、Yes, of course! とか

Buon jiorno!とか、謝謝とか思った世界中の読者の九分九厘は真の満員電車に乗ったことがない。


残りの1%オブ読者アラウンザワールドにしか分からないだろう。


まず、真の満員電車(True Full Train:TFT)の中では、空間が歪んでいる。


嘘だ!と思った99%アラウンザワールドの人間はそれは真の満員電車を知らないから言えるセリフである。


偽の満員電車(False Full Train:FFT)では空間が歪んでいないため、収容できる人数には限界がある。


しかしJRの技術力はFFTTFTに昇華させた。


駅に電車が止まり、多くの客が電車に乗り込んでくる。

これ以上誰も乗れないだろう。

誰もがそう思った時、奇跡は起きる。


空間が歪み、あるはずのなかったスペースが生まれるのだ。

人々は得体の知れない力に戸惑いながらも車両に乗り込む。


しかし空間の歪みにも限界があり、ホーム上に溢れたパッセンジャーの全てを平等に車内に詰めるのは厳しいかと思われた。


それでもJRの技術力は留まるところを知らない。

TFTはさらなる進化を遂げ、TTFT(True True Full Train:本当に本当の満員電車)へとメガシンカする。


このメガシンカ中に何が起こっていたかというと、乗客の体積を縮小していたのだ。


乗客一人ひとりの体積を小さくすれば必然的に乗車できる人数は増加する。


空間の錬成に限界を感じたJRは次に空間の節約へ踏み切ったということだ。


私たちの体は神からの圧力によって縮小される。


その時に肋骨がミシミシ、となる音が稀に聞こえることもある。





いかがだろうか。

これが真の満員電車だ。


満員電車の恐怖に卒倒した読者(RLD:Reader Lay Down)のことは放置し、本題へ移ろう。


今日みなさんに伝えたいのはどうやって猿腕を開発されたか(HMA:How to Monkey Arm)と、巨乳のおばさん(BBB:Big-Bust Basan)についてだ。




前述の通り、満員電車に乗った私たちはその体積を神に奪われ、自身のテリトリーであったはずの場所には他者が侵入してきている。



結論から言うと、私の奪われた体積は肘であり、侵入してきた他者とはBBBだったのだ。


私の体と腕は少し離れていたため、神はそのスペースを惜しんだ。


その結果肘が作り出す角θ(本来なら0°<θ<180°)が180度を超えてしまったのだ。


それが一瞬なら良い。


しかし神は無情だった。




角θが180度を超えたその次の瞬間に巨乳のBBA(ババア)が侵入してきたのだ。


ヒョウ柄のコートを着た典型とも言える関西風のBBAは、地元で培ったのであろう積極性を武器に一瞬の隙を見逃さずにスペースを埋めてきた。

おそらく所持していたブランド物のバッグの中には大量の飴玉を隠し持っていただろう。


要するに、今まで私の肘があった位置には今BBBBA(Big-Bust BBA)がいる。




その結果、私は肘のなす角θを本来の180度以下に戻すためにはBBBBAのBB(Big-Bust)に触れなければならない。




これが何を意味するかは火を見るより明らかだ。



BBBBAのBBを触ることは社会的抹殺と同値である。

正真正銘のCKN(ChiKaN)だ。


しかも触れても何の喜びもない。


つまり私は角θを戻す理由がなかった。



ならどうする?





私は次の駅までの10分ほどの間、角θをおよそ200度で固定し続けた。


その間にいくつかの靭帯をおじゃんにしたことは否めない。



長きに及ぶ肘の矯正訓練により、私の角θの最大値は200度にまで増加したのだ。




こうして私の猿腕は開発された。



今でもこの、痛々しい腕を見ると思い出すのだ。





ビッグバストボインボインババアのビッグボインを。