授業中にスポドリを飲む輩を理解できない

まったくもって理解不能なのだ。


大学では一般に授業中に水分を取る事を認められている。

そして多くの大学生は授業中の気分転換や眠気覚ましのためにペットボトル飲料を教室に持ち込み、適宜水分補給をする。


そこで持ち込まれる水分の種類は多岐に及ぶ

-ミネラルウォーター、お茶、コーヒー、コーラ、エナジードリンク

各自は各々の考える最適なドリンクを装備し、授業に臨むわけだ。



しかし、稀にスポーツドリンクを装備し、教室に乗り込んでくる輩がいる。


私には到底理解できない。



なぜスポドリなのか?


理解できないものを否定したくなるのは人間の性であるのは歴史的に見ても明らかだ。

理解し合えない両者は対立を深め、やがて戦に発展する。


私は平和主義者だ。


私はスポドリ勢がなぜスポドリを持ち込むのかを理解したい。


そのためにいくつかの仮説を立てた。



①授業前に運動をして来た

恐らくこれが最もオーソドックスな想定であり、納得のできるものだ。

恐らく前の時限は空きコマであり、その時間を使って友人とテニスでもしていたのだろう。

もしこの仮説が正しければ、そのスポドリ勢は空きコマに友人とテニスをして過ごす完全なる陽キャだ。

理解するしない以前の問題であり、その圧倒的陽キャ感の前に我々は屈服せざるを得ない。


スポドリを美味しいと思っている

納得はいかないが、理解はできます。私は日常生活においてスポドリを飲むと甘ったるくて美味しいとはとても思えないが、味覚に関しては個人の感性というものがある。

スポドリを純粋に味わっているのであれば、それを否定することは出来ない。


スポドリ以外飲めない

これは理解すら困難です。スポドリを飲めて他のドリンクを飲めないというのはどのような状況なのだろうか。

水も飲めないのに水にアクエリの粉を溶かしたものが飲めるのだろうか。

もしそうなら水1リットルにアクエリの粉を小さじ1杯だけいれた極薄のスポドリは飲めるのだろうか。

グリーンダカラは飲めるのだろうか。

飲み会に行った時も「僕、アルコール飲めないんでスポドリ下さい」というのだろうか。


疑問が絶えない。


④効率厨である。

一種の中二病です。タチの悪いそれです。

もしこの仮説が正しければ、そのスポドリ勢にスポドリを飲んでいる理由を正すと、

「君、そもそもなんで授業中に飲み物を飲むの?水分補給をするためだよねぇ??だったら水分補給に最も適しているスポドリ一択だよねえ??格好つけるためにコーヒーとか飲んでるんだったらそれ完全に本末転倒だよねえ?↑↑(超絶早口)」

と言い返してくるので話しかけるのは極めて危険です。

きっとそのスポドリ効率厨は進級条件をギリギリで満たすことに快感を覚え、恋人がいない理由を金の浪費だと言ってごまかし、電車を乗り換えるときは最短ルートを走っています。


⑤授業をスポーツだと思っている

もしスポドリを持ち込んでいる人の額から汗が流れ、息が上がっているようであればこの可能性が極めて高いです。

そのスポドリ勢になぜスポドリを飲んでいるのかを尋ねたら最期、こう言い返されます。








「逆に君は運動中にコーヒーを飲むのかい?」





この言葉に私たちはハッとさせられる。入学前には高い志を携えていたはずの我々はいつしか授業に対する熱意を失い、その水分補給をコーヒーで誤魔化せる程にまで堕ちてしまった。


こんな人間が大学に居ていいはずがない・・・!!


この大学をやめよう・・・!

この大学の名誉を守るために・・・!


しゃーない、通信行くわ・・・!!




こんなことを考えながら私は走り出していた。


キャンパス内を走り、門を抜ける。


電車に乗ることもなく、北へ走り続ける。


天から声が聞こえてきた。



"Run! Forest! Run!! "



ああそうだ。私は走るしかない。


私は北へ、北へ、ひたすら走り続けた。



to be continued