eX-MEN 第9話 「秘密の特訓」


牛「うわ・・・なんだよこの部屋・・・!」


牛乳飲みたいはウォシュレィに連れられて地下のある部屋へ入った。


ウ「UNKの特設スタジオよ。ここで色々な実験を行っているの。」


UNKとはこの放送局の名前である。


ウ「私は自由に使えるけど・・・。この局はeX-MANの支援をやめたことを忘れないでね。」


牛「ああ、公にはできないな。」


ウ「じゃあ早速始めるよ。トイレ行ってきな。」


牛乳飲みたいは牛乳パックを取り出した。賞味期限はとっくに切れている。

それを一気に飲み干し、トイレへ走っていった。


数分後、牛乳飲みたいは帰ってきた。


ウォシュレィは手のひらからビー玉ほどの大きさの茶色の物体を生成した。


ウ「これが『便爆弾』。このくらいの大きさなら人は死なない。」


ウォシュレィはそれを牛乳飲みたいへ向かって投げた。そしてこう言った。


ウ「喝!」


茶色い爆弾は牛乳飲みたいの前方1メートルで小さく爆発した。


牛「おい、なにすんだよ!もし当たったらどうすんだよ!」


ウ「次は当てるわ」


牛「・・・!?てめえ俺を殺す気か・・・!?」


ウ「つべこべ言わずに受け止めてみなさい。」


ウォシュレィは再び爆弾を作り牛乳飲みたいの前で爆発させた。


ウ「喝!」


牛「ってええぇ!」


爆発は牛乳飲みたいの腹部付近で起こった。

牛乳飲みたいは吐血しながら後方へ倒れ込んだ。


牛「これを受け止めるなんて無理だろ!」


ウ「受け止めるにはコツがいるのよ。」


牛「・・・コツ・・・!?」


ウ「さっきの爆発、爆発の規模の割に体に応えたと思わない?」


牛「言われてみれば・・・」


爆発自体は非常に小さいものだった。少なくともその衝撃で吐血する程ではなかった。


ウ「気を集中させるのよ。あなたの便エネルギーをお腹に集めるの。」


便エネルギーなんて言葉を牛乳飲みたいは聞いたことがなかった。しかし不思議と便エネルギーを腹部に集めることはできた。

これがeX-MANの持つ本能なのだろうか。


ウ「あなたの場合、排便直後に便エネルギーの量、自在性が高まるの。じゃあもう1回行くわよ!」


ウォシュレィは再びビー玉程度の便爆弾を作った。

それを牛乳飲みたいの腹部目掛けて投げる。


ウ「喝!」


先程と同じような爆発が起こる。

さっきはこれで牛乳飲みたいは吐血したのだが。



牛「・・・全然痛くねえ・・・!」


ウォシュレィがニヤリと笑った。


ウ「これが便エネルギーの力よ。」


eX-MAN 第8話 「提案」

ウ「BRITのメンバーを殺したのは私なの。」

 

牛乳「そうだったのか・・・なら俺もあんたに話がある。」 

 

ウ「ハーミデーター・・・のことでしょう」

 

牛乳「・・・何を言ってんだ?」

 

ウ「あなたは本当に何も知らないのね。タンクトップの男よ。」

 

牛乳「あいつの名前、ハーミデーターっていうのか?」

 

ウ「ええ。」

 

牛乳飲みたいはシリアスな話の流れに突然現れたふざけた名前に笑いを堪えられなかった。

 

牛乳「なんだその名前wwwだっせえww」

 

ウ「あなたハーミデーターの本当の恐怖を知らないのね?」

 

牛乳「いやww恐怖も何も面白すぎだろwww」

 

ウ「ハーミデーターに殺されかけたのに?」

 

場の空気が冷たくなる。

 

牛乳「なんで知ってる・・・?」

 

ウ「そんな気がしただけよ」

 

牛乳「ハッタリかけたのか・・・!?」


ウ「こんな罠にかかるあなたが悪いの。」


ウォシュレィはペットボトルの水を飲み干して話を続けた。


ウ「あなたは体力も知力もまだまだ私やハーミデーターには及ばない。でもこのままでは殺されてしまう。」

 

牛乳「ああそうだ。そのために・・・」

 

ウ「私としても好都合ね。私は近距離戦に弱い。あなたが強くなれば私の戦力になるわ」

 

牛乳「あんたの戦力になる気は無い。」

 

ウ「まあいいわ。私に考えがある。特訓に入りましょう。」

 

スクールカーストと井上くんと齋藤くん


みなさんお久しぶりです。牛乳飲みたいです。

いきなりですが、みなさんはスクールカーストをご存知だろうか?

多くの方はスクールカーストを知っているどころか、身をもって体験しているだろう。

それは古代インドの「カースト制度」に由来するもので、学校、クラスというソサエティにおいていわゆる「上級」の身分と「下級」の身分が生まれることである。


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ではこの上級、下級はどのようにして決まるのだろう?それは教育、いや教育対象者の年齢とともに変化する。

小学校では足の早い子が上級である。中学、高校では容姿の優れたもの、少し悪ぶっているものなどが上位にくる。

ここでみなさん、胸に手を当てて考えてみて欲しい。

あなたの小学校では本当に足の早い子供がカースト上位にいただろうか。

確かにそこにおおよその正の相関関係は見られたと思う。しかしそれだけではないはずだ。いくら小学生が単純だからといってスクールカーストという重大な事項を1変数で決め切ってしまおうなんて考えるはずがない。


私の経験談を話そう。


私が在籍していた小学校では「小便の時間が長い子供」がカースト上位を占めていた。

小便をする時間が長い=膀胱のキャパシティがでかい=偉い

私の小学校では謎の三段論法が常識として罷り通っていた。

人々は己のヒエラルキーを向上させるためにトイレを我慢したり、小便をゆっくり出すという反則紛いの技を磨いたりしていた。

かく言う私はと言うと、元々膀胱のキャパが小さかったので多くの尿を蓄えることが出来なかった。ヒエラルキーは真ん中ちょい下あたりであった。クラスのヴァイシャ的ポジションである。

そんなある日、隣のクラスの井上くんがトイレに現れた。

彼は我々の必死の戦いを見るとこう言い放った。


「おれ、小便止められるよ。」


この時カースト制度そのものが崩壊する音が聞こえた。

彼は理論上無限時間の間小便を出せる。いや、正確には出していないのだが。

そもそも膀胱のキャパを競い合っていたのに小便を止めては本末転倒だ。

己のヒエラルキーを高めることに熱中していた私達もこれには驚き呆れた。まさにあさまし。

結局膀胱のキャパに基づいたカースト制度はその日を境に廃れた。文化が崩壊するのはいつだって一瞬だ。



それから私は普通の学生生活を送った。

排尿に制約を受けることも無く、なんの不自由もなかった。中学は中学のカーストがあったが、私はシュードラにならずに済んだ。高校でもカーストに苦しむことなく充実した生活を送っていた。

そんなある日、やつは現れた。


ある日私がトイレに行くと同じクラスの齋藤くんが小便をしていた。

わたしも彼の隣に立ち、小便をする。

小便を済ませ、手を洗ってトイレを出ようとした時、齋藤くんを見ると・・・


彼はまだ小便をしていたのだ。


別に途中で小便を止めていたわけではなかった。彼は純粋な膀胱のキャパだけでこれだけの時間、小便をしていたのか。。。

十年前に崩れたはずのカーストが再び私の前に現れた。

しかしそれは私の知っているカースト制度ではなかった。齋藤くんはバラモン、いや富をもたらす神、ガネーシャになり、他の全てのクラスメイトをシュードラ、いやアチュート同等の存在だと見下していただろう。

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その日から私は平凡な生活を送ることさえ出来なくなった。唯一の存在、ガネーシャに畏怖の念を抱いた。彼は煩悩を超越した男。平成のガウタマシッダールタだったのだ。




時代は令和に変わり、先日、改元後初めて齋藤くんと会った。

彼と一緒にいる間、私はトイレに2回行ったが、彼は1度も行かなかった。

元号が変わろうとも、彼の持つヒエラルキーが落ちることは無かった。

私は今一度彼の偉大さに気づき、自らの惨めさに絶望したのだ。


eX-MEN 第7話 「美女の正体」

 

牛乳(何だこのメモは・・・!!)

 

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牛乳(これはただのメモじゃない・・・!最初の6文字ってなんだ・・・??これは・・・!!)

 

俺は各行の1文字目に注目した。

 

牛乳「・・・そうか!縦読みだ!」

 

一出大学の俺の頭脳を持ってすればこの程度の暗号、一瞬で解読できる。

 

牛乳(縦読みすると・・・「うんち、ぶり!」・・・?)

 

次の瞬間、牛乳飲みたいの脳みそに電気が流れた。

 

牛乳「もしかして・・・eX-MAN・・・!?『奴』か・・・!?」

 

これは一気に状況が変わるかもしれない・・・!!

 

 



美女はメモを落とすと屋上を後にした。

 

(運を天に任せるの。彼が明日来るか。)

 

後ろから番組ディレクターの男が声をかけてきた。

 

「ウォシュレィさん!出番ですよ!!」

 

「ええ、わかっているわ。」

 

便木・ウォシュレィ。

ハーフ系のアイドルとして芸能界を席巻するハタチの女性だ。

 

しかし、彼女には誰にも言えない秘密がある。

 

 


 

 

翌日、牛乳飲みたいはテレビ局に来た。


便木ウォシュレィ。誰でも知っている有名アイドルが俺を呼び出してきた。


なぜ俺の名前を知っていたのか?

そして彼女は本当にeX-MANなのか?

 

俺は知りたいことが山ほどあるんだ。

 

テレビ局の楽屋の1つに通される。

 

中に入るとウォシュレィがいた。

 

ウ「ようこそ。eX-MANの牛乳飲みたいくん。」

 

牛乳「・・・!?あんたなんで俺がeX-MANだってことを・・・!?」

 

ウ「あなた何も知らないのね。まあいいわ。本題に入るよ。」

 

ウ「アイドルはうんちしないって話聞いたことある?」

 

牛乳「・・・そんなの都市伝説に決まってるだろ。」

 

ウ「普通はね。でも私に限ってはほんと。」

 

牛乳「どういうことだよ・・・?」

 

ウ「私。おしりからうんちが出ないの。」

 

牛乳「何言ってんだよ・・・」

 

ウ「代わりにここから出すの。」

 

ウォシュレィは手を見せてきた。

 

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牛乳「・・・!?なんだそれは!?」

 

ウ「ここから出るのよ。そして・・・」

 

 

ウ「出たものは私の意思で自由に爆発させられるの。」

 

牛乳「・・・!?てことはもしやお前・・・!?」



 

ウ「そう。BRITのメンバーを殺したのは私なの。」

 

 

 

 

eX-MEN 第6話 「奴を探せ」

 

おれは牛乳飲みたい。eX-MANだ。

おれは謎のタンクトップの男にボコボコにされた。

そして強くなるためのキーマンとなる人を探している。

 

 

大森糞男にはこのことは言い出せなかった。

 

牛乳「あんな屈辱、親友に言えるかよ・・・」

 

おれは以前来たテレビ局を再び訪れた。

『奴』の手がかりを探すためだ。

 

しかし、手がかりはなかった。

防犯カメラを見ても犯行現場は全く写っていない。

 

牛乳(防犯カメラの位置を完璧に把握している・・・これはテレビ局関係者の犯行に違いない!)

 

しかしそれ以上の手がかりはなかった。

 

俺は途方に暮れた。

 

牛乳「奴は見つかりそうにねえ。でも、諦める訳には行かない、、、!」

 

 

その頃、例の美女はテレビ局の屋上にいた。

 

美女(ここはひとつ、あの子を試してみようかしら・・・)

 

美女は屋上からメモを落とした。

 

 

牛乳飲みたいは手がかりを掴めぬまま帰ろうとしていた。

 

牛乳(今日は収穫なしか・・・)

 

すると空から1枚のメモが落ちてきた。

 

牛乳(なんだこれは・・・!?)

 

メモには次のように書いてあった。

 

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eX-MEN 第5話 「タンクトップの男」

 

 

牛乳を一気に飲み干し、パンツを下ろす。

 

おれはうんこを漏らした。

 

タンクトップの男が携帯ウォシュレットをこちらに投げてきた。こいつやる気あるのか??

 

牛乳「余裕こいてること、後で後悔するぜ・・・!」

 

「そうだと面白いな」

 

俺はウォシュレットを使い終え、ズボンを履いた。

 

牛乳「いつまでそっち向いてんだ・・・よ!!」

 

次の瞬間、牛乳飲みたいは男の背後に瞬時に回り、背中にパンチを入れようとした。

 

牛乳(流石にこのスピードにはついてこれまい!)

 

しかし。 

 

牛乳「なに!?!?反応できるのか!?」

 

パンチは男の拳の中にあった。

 

「お前のスピードはその程度か。張合いがなくて残念だよ。」

 

男は俺の拳を離そうとしない。俺は全く抵抗できなかった。

 

「お前はパワーもないのか。」

 

牛乳「くっそ・・・!!」

 

謎の男はもう一方の手でおれのみぞうちを殴った。

 

牛乳「くっ、なんてパワーだ・・・!」

 

おれはその場に倒れ込んだ。

 

謎の男は顔色一つ変えずに語りかけてきた。

 

男「俺はお前が俺の相手にならないことくらい分かっている。俺が知りたいのは奴だ。」

 

牛乳「奴・・・!?大森糞男のことか・・・!?」

 

男「違う。とぼけるな。俺の部下を殺した奴のことだ。」

 

牛乳「それは、知らない・・・。本当だ・・・。

 

男「ほう?そうか。ならお前達も探すが良い。」

 

男「奴はお前達の仲間で、俺たちの敵だ。そしてお前よりも遥かに強い。」

 

男「奴を探して出してくれるなら今、命だけは見逃してやるよ。」

 

牛乳(・・・今はそうするしかないのか・・・)

 

牛乳「ああ、分かった・・・」

 

俺はひざまずいたまま力ない声で言った。

 

男「物わかりが良くてよろしい。じゃあな。」

 

謎の男はタンクトップのまま赤いスポーツカーに乗り込んで急発進した。

 

 

牛乳飲みたいはその場に取り残された。

 

牛乳「くそっ・・・!おれは無力だ!無力すぎる!!」

 

俺は地面を殴った。

 

牛乳「・・・。強くなるしかない。そのためには『奴』を探すしかない・・・!」

 

牛乳飲みたいは立ち上がった。

 

BRITのメンバーを爆死させた『奴』を探し出すため。

そして『奴』から強さを教わるため。

 

eX-MEN 第4話 「BRIT」

 

勢いでテレビ局を後にした2人だが、これからのあてはなかった。

 

大森「仕方ないからお互いに大学に行きながらこれからのこと考えようぜ」

 

牛乳「ああそうだな。その間に能力も高めておこう。」

 

大森は便應大学、牛乳飲みたいは一出(ひとつだし)大学に通っている。いわばエリートだ。

 

2人はしばらくは社会情勢を見守ることにした。

 

しかし、翌日。

 

牛乳飲みたいは大学での講義を終え、帰宅しようとしていた。

すると、後方から赤いスポーツカーが爆音で迫ってきた。

スポーツカーは牛乳飲みたいの前で急ブレーキをかけた。

 

中からタンクトップの男が現れる。

高級そうな車からこんな男が出てくるとは思わなかった。

彼のタンクトップははちきれんばかりに伸びていた。逆三角形の上半身に太い腕。まさにマッチョである。

 

「やあ、牛乳飲みたい君。今日は君に用がある。」

 

今まで相手にしてきた雑魚とは明らかに違う雰囲気に牛乳飲みたいは怯みかけていた。

 

「おや、俺の強さにビビってるのかい?でもそれは俺の強さに気づけるってことだ。流石はeX-MANと言ったところか。」

 

牛乳「お前、何者だ!」

 

「名前なんてない。ただ言えるのはBRITのボスってことくらいだ。」

 

牛乳「BRIT・・・!!じゃあミスターWを殺したのもお前の指示なのか!?」

 

「あいつは邪魔だったんだよ。俺の作りたい世界にはね。」

 

牛乳「てめえ、ぶっ殺す!!」

 

牛乳飲みたいはリュックから牛乳パックを取り出した。

初夏の陽気に晒された牛乳はすでに腐り切っていた。

 

牛乳を一気に飲み干し、パンツを下ろす。

 

おれはうんこを漏らした。

 

牛乳「さあ、バトル開始だ!!」